東京での備忘録

日常生活で思ったこと、感じたことを書きとめようとブログを始めることにしました。観た映画や、読んだ本など、備忘録的に書き綴っていこうかと思います。

エピソードをピックアップしてギャグ混ぜただけ——『新解釈・三國志』

福田雄一監督作品。映画館で予告編を見かけた覚えがあるため、視聴してみたのだが……。【ネタばれです。】

新解釈・三國志

単なるエピソードの摘み食い

冒頭は「桃園の誓い」から。福田監督作品なので、もちろん桃園の誓いの様子をふつうに描くわけではなく、そこでギャグを絡めた会話が展開されるのだが……既にもう不穏な空気が漂う。これを映画館でお金払って観るのは辛かろう……。

以降、「黄巾の乱」とか呂布との戦いなどが描かれていくのだが……これ結局、『三国志演義』の中から適当なエピソードを選んで、それに適当なギャグ足してるだけ。そして最後にエピソード同士を繋いで一本の映画にしてるけど、別に全てのエピソードの根底を流れる作品全体を通じたストーリーがあるわけじゃないからな。単に三国志ショートコントのつまらないネタを連続で見せられてるだけだと思う。

三国志について前提知識皆無なら

とはいえ、自分は『三国志』や『三国志演義』について細かく知ってるわけではないので、なんだかんだ新鮮な気持ちで観ることができた。しかし、三国志演義が好きな人にとっては、本作は相当退屈だったと思う……。

と思っていたら、後半はムロツヨシ演じる孔明が主人公みたいになっていた。これを映画館で観るのは忍耐力が要りそうだな。

 

テレビで放送してたら観てもいいかなとは思うが、これを映画館でお金払ってまで観る必要はないと感じた。

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冒頭のバスのシーン——『脳男』

だいぶ昔に原作は読了していたが、既に内容はうろ覚え。映画化されていたのを知り、改めて視聴。

【ネタばれです。】

脳男

冒頭のシーンのインパク

原作読んだときは、冒頭の路線バスが爆破されるシーンがいちばん印象深かった。爆発物仕掛けられて声の出せない被害者、爆発するバス、理不尽にも被害に遭った子供たち、がひじょうに鮮烈で辛くやるせない感じがして。映画版でも、爆発物仕掛けられた被害者が怯えながらバスに乗り込む姿、バスが爆発するときの閃光、そして黒焦げになった子供たち、……映像化するとより不気味で可哀そうで辛そうで、でも鮮烈な印象を残す。本作は総じて爆発シーンがよいと思った。茶屋が鈴木一郎を捕まえるときの爆発もいい。

ラストシーン

しかし、後半になるにつれて原作読んだ時の記憶も薄れていったので、初見のようにストーリーを楽しむことができた。しかも、原作とかなり話変えてきてる気がする。原作はサスペンス多めだった気がするが、本作はアクション多めかな。そしてラストシーン。救いがないのですが、本作にふさわしい終わり方だと思った。鷲谷が生きて償い続けないといけないってあれほど言ってたのに、結局更生してなかったとは……。

その他

キング・クリムゾンがかっこいい。あと松雪泰子江口洋介はいい役者だなぁと思った(こなみかん)。あと夏八木勲渋い。

脳男 新装版 (講談社文庫)

ただ淡々と展開する実写映画——『ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE』

うすた京介の漫画『ピューと吹く!ジャガー』の実写版。「なぜ実写に……?」という困惑を感じつつも、うすた好きとしては一度は見ておかねばと今更ながら視聴。

【ネタばれです。】

ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE [DVD]

ギャグ漫画のレジェンド

自分にとってうすた京介との第一種接近遭遇は『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』だったと思う。とにかく今までに読んだことのないギャグ漫画で、毎話読むのが楽しみだった。フーミンこと藤山起目粒、モエモエこと北原ともえが当時のお気に入りキャラだった。あとセガのロボピッチャ。あとメソ……。個人的にはクリスマス回が一番好き。のちにアニメ化されたが、オープニングテーマがPENICILLINの『ロマンス』だったので、「オープニング映像だけは知っている」という人も多いのでは。

日本のギャグ漫画と言えば、赤塚不二夫など偉大な先人たちが綺羅星のごとく存在するが、うすた京介は1990年代を代表する一人だと思う。一時期、うすた京介フォロワーみたいなギャグ漫画が大量発生したし、1990年代のギャグ漫画は文字通り「うすた以前」「うすた以後」で二分されると言っても過言ではないと思う。

しかし、だからといってなぜ「ジャガーさん」を実写化するんだ……? どすこい喫茶……ジュテーム……? どすこい喫茶! ジュテーム!

なぜ実写化……?

本作は、ただただ淡々と展開する。原作にあったエピソードをぶつ切りでぽつぽつと織り交ぜつつも、特に盛り上がりもなく、特に笑えるシーンもなく、ただただ淡々と話が進む。そもそも、実写にしてしまうと漫画のようなボケとツッコミは当然不可能なので、明らかにテンポが悪い。あとハミィこと夢ノ森眠都がでかい。

三太夫セガールなぎら健壱キャスティングしたり、板尾創路演じる影千代先輩の外見が激似だったり、要潤小木博明をはじめ演者は割と真剣に演じているように見えるのだが……。イタオ・ド・ミテモホンニーン! しかし、なぜカルーセル麻紀……。

やっぱり、ギャグシーンを実写にするのは……無理があるんじゃないかな……。ボスケテ……。

要潤の代表作

ただ、主演の要潤は、かつて本作を自身の代表作として挙げていたことがあった。常識的な役者なら、黒歴史としてなかったことにすると思うが……。この一点だけで、要潤、信用できる漢だなと思った。男なら、ナイス要!

 

原作知らない人が観たら全然面白くないだろうけど、原作好きな人が観ても笑うところほぼゼロだと思う。原作は面白いのに……。

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これは、ゲンドウの物語——『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観た時点では、(これ、次作でいったいどうやって収拾付けるんだろう……?)と不安に感じていた。しかし、本作を観るとその不安感は雲散霧消、終わってみればこれ以上ないという締め括りだったと思う。 【ネタバレです。】

『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』+『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』

ゲンドウの物語

本作は新劇場版、そして、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの締め括りとなります。映画館で観て思ったのは、本作は碇ゲンドウの物語だということ。ゲンドウが主人公の碇シンジと対話し、気づき、そして列車から下車する。思えば、ゲンドウとシンジ、テレビ版でも旧劇場版でもこんなにきちんと対話してなかったからなぁ 。

冬月先生大活躍

本作では冬月コウゾウが大活躍。パリではバチカン条約違反の機体投入してヴィレと死闘を繰り広げてましたが、南極では遂に最前線に登場。無人艦2隻従えつつ戦艦エアレーズングを駆って戦うわけなんですが、操艦するときのポーズがかっこよく圧倒的な「強キャラ感」。対するヴィレは、あんなに大人数で操艦してるのに……。ヒトとしては作中最強キャラなんじゃないかな。ヴィレと袂を分かってからは、実質一人で機体建造してたんだろうし。

冬月先生の研究室は綾波ユイ真希波・マリ・イラストリアスを輩出し、それにゲンドウまで出入りしてたんだから、人類史に極めて大きな足跡を残している。このゼミがなければ人類滅亡してたかもしれないけど、ある意味ユイをめぐるゼミ内の人間関係が人類の危機の発端と言えるような気もする。ユイはサークルクラッシャーならぬ「ワールドクラッシャー」だ、なんて言辞もネットで見ましたが、言いえて妙。

 ユイさん、魔性の女過ぎませんかねぇ……。マリに後ろから抱きつかれても、ゲンドウ君は完全に無視してユイさんしか見てないし。シンジ君とは好対照。

マイナス宇宙は認識できない

ゲンドウを追って、シンジ君はマイナス宇宙というか裏宇宙に突入していくわけですが、ここで(マイナス宇宙なんてどうやって描くの……? 背景が真っ暗闇になるのか……?)と思っていたら、ヒトには認識できないからL.C.L.が知覚可能な情報に変換してくれるという。これは本作で一番なるほどと思った設定。こうすれば、戦いの舞台が特撮のセットだろうがミサトさん家のリビングだろうが何でもあり。この設定はすごいな。

みんなが救われていった

これは「救い」というのか「救済」というのか、はたまた「和解」というのか、いろいろ言い方ありそうですが、とにかくみんな下車していった。全てのキャラクターに救いがあってよかった。鈴原トウジ相田ケンスケはどうなったのか、加持リョウジはどうなったのか、葛城ミサトたち冷たすぎない、といった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』時点で気になっていた点も解消。しかもジェットアローンまで!

レイとアスカとシンジ

テレビ版や旧劇場版とは全く異なる展開となった、綾波レイ式波・アスカ・ラングレーとシンジの関係性。レイでもアスカでもなく、マリ。そしてアスカはケンスケと。この結末にはけっこうびっくりしてしまって。1990年代だったら暴動が起きる(?)かもしれないけど、2010年代だから受け止められた感。でも、旧劇場版のラストと思しきアスカと邂逅して対話するシーンもあったから、旧劇場版の惣流も救われたと思う。

一方、トウジとヒカリは幸せそうでよかった。ケンスケが「意外だろ」っていうシーンがあって(そこまで意外か……?)と思ったんだけど、テレビ版に比べるとフラグの描写控えめだったか。それに、コドモの頃仲良かった異性と結ばれることなんて、現実にはなかなかない。ある意味当たり前の話ですが、それが明確に。オトナになるとはこういうことかも。幼年期の終わり

 大団円

渚カヲルの存在や式波の出自など、新劇場版全体にかかわる謎にも言及があり、全体的に丁寧な展開という印象。『Q』で印象的だったピアノや、シリーズ全体を通して度々登場してきたポータブルカセットプレーヤーについても説明が。マリについては、漫画版ではそれなりに明かされていましたが、本作でも冬月研究室のシーンでゲンドウ君やユイさんと登場。

 旧劇場版では全人類補完されシンジとアスカのアダムとイブエンドでしたが、本作ではヒトは個として残り、ユイによりゲンドウは救済され、全てのエヴァンゲリオンが……。観る前は(どうやって纏めるの?)と思っていたが、観終わってみれば(これしかないな)と思わせる展開だと思いました。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のノリで、残り2作もエンタメ全振りで制作するという方法もあったと思うし、思わせぶりな台詞大量投下して謎散りばめたままにする方法もあったと思う。でも、そういう方法を採らないで、きちんと話に決着をつけた。エヴァの締め括りには相応しいと思いました。

ノーランだけどオーソドックス——『インソムニア』

クリストファー・ノーラン監督作品。ノーラン作品だから外連味たっぷりの意外な展開を期待して観始めたのだが、比較的オーソドックスな刑事ドラマが展開される。どんでん返しのないノーラン作品。【ネタばれです。】

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オーソドックスな展開

アル・パチーノ演じるドーマーは、ロサンゼルス市警察の刑事。アラスカ州で発生した殺人事件の捜査応援のため、相棒とともに派遣されるが、彼は内部監査の対象となっていた。この時点で既に不穏な空気。しかも、相棒は内部監査に協力することを決意しており、ドーマーとの仲もややぎくしゃくしている。

ノーラン作品ということ以外には事前情報なしで観始めたので、ここからサイコサスペンスになるのかな、犯人が異常者で相棒は犠牲になってしまうのか……とか思っていたのだが、そんなことは全然なかった。犯人とドーマーの互いの心理的なやり取りが見どころなのかな。

隠蔽以外に方法はなかったのか

ドーマーの作戦により犯人は罠に引っ掛かるが、霧の中で追跡するうちにドーマーは相棒を撃ってしまう。これ、自分にはドーマーの誤射に見えたんだけど、実際はどうなんだろう。撃たれた相棒は、ドーマーがわざと狙ったと完全に信じ込んでたけど。長年連れ添った相棒にすら誤射と信じてもらえないんだから、これ隠蔽するしかなかったのかな……。

監察官にっこり

そもそもこのペアでアラスカに派遣しちゃ駄目だよな……。相棒は内部監査に協力する決意を固めてるんだから、この状態で二人派遣したらぎくしゃくするし、何らかのトラブル起きてもおかしくないし。直属の上司はそんなこと知らなかったのかもしれないけど。監察官としては「あの二人がアラスカに出張か。何かトラブル起きればいいな、そうすればドーマーを引っ張れるぞ(にっこり)」くらい思ってた気がする。

泥沼に嵌る

やっぱり心配事抱えた状態では、十分に能力発揮できないよね……。内部監査という心配事を抱え、相棒には裏切られ、白夜で全然寝れない。この状態では仕事でミスするのは必然。さらに相棒を誤って射殺したが偽証。しかし犯人に一部始終を見られており、やがて犯人に脅迫され、無実の市民を犯人の身代わりとして逮捕、……って名刑事だったドーマーが、どんどん泥沼に嵌まり込んでいく様子が観ていて辛い。自分だったらどうするだろう。

最期の決断

ラスト。瀕死のドーマーを目にした新米女性刑事は、思わずドーマーの偽証の証拠を捨てようとするが、彼に止められる。このシーン、思わず自分も「捨てろー! 捨ててしまえー!」と思ってしまった。今更ドーマーの偽証を明るみにしたところで相棒は返ってこないわけで、しかも真犯人はドーマーが倒しているから事件はもう起きないでしょう。ドーマーとドンパチやった結果、真犯人はこいつだという証拠は山ほど残ってるし、それなら誤認逮捕された無辜の市民も遠からず釈放されるでしょう。ドーマーの偽証を暴いたところで、誰も得しないんだよなぁ……。

ドーマーが内部監査対象になった理由っていうのも、私腹を肥やすとか犯人を勝手に殺すとかそういった非道な理由ではなかったからな。もちろん違法なのは言うまでもないんだけどさ。だから、ドーマーを名刑事のまま逝かせてやってもよかったんじゃないって思ったんだけど……最期に刑事としての心得を新米女性刑事に伝えたかったのか。

 

観てよかった作品。

ブログ、始めました

日常生活で思ったこと、感じたことを書きとめようとブログを始めることにしました。

ブログを始めた理由

今まで日記すら付けたことがなかったのですが、思ったことや感じたことを記録しておかないとどんどん忘れてしまいそうなので……。観た映画や、読んだ本など、備忘録的に書き綴っていこうかと思います。

論説や考察などではなく、あくまで感じたことをゆるゆると書き連ねるつもりです。単なる個人の感想にすぎないので、後で見返したときに意味不明な箇所や不正確な箇所もあるかと思いますが、ご容赦ください。